おしごとオーケストラ

キャリアの仕事がしたい人も転職したい人も。転職エージェントのナカの人、こやとのブログ

【実例】求人マッチングの精度を高めるためには、どのように求人を選別すればいいのか

この記事では、転職エージェントのキャリアアドバイザーが、転職希望者に対してどのように求人を探す(=求人マッチング)のか、その方法論をお伝えします。

 

世の中に非常に多くある職種の中から、転職希望者の方の経験と希望に沿うものを選定するのは簡単なことではないです。だからこそ、求人マッチングの精度は、キャリアアドバイザーによって個人差が大きいポイントになっています。

転職エージェント会社も問題意識を感じており、最近ではAI導入によって個人差を解消しようという動きもありますが、私が業界で実際に働いている中で感じている肌感覚としては、AIマッチングの精度はまだまだです。

そこで、私が新人時代にしていたマッチングと、数年経験したいま行なっているマッチングの違いをお伝えします。

これを読めば、転職エージェントを目指す方は仕事イメージがいっそう具体的に湧くでしょうし、転職希望者の方にとっては自分で求人を探すレベルが飛躍的にアップするはずです!

 

■新人の頃の私がしてたのは「必須要件マッチング」

転職エージェントで保有する求人に記載されている仕事内容や、転職希望者が登録する経験職種にはすべて職種コードを記入することが求められています。

例:営業、経理、総務、法務、経営企画、広報、マーケティング、etc.

 

そしてこれが私が当時やっていた求人マッチングの具体的なやり方です。

1)転職希望者の諸条件を入力する(年齢、学歴、勤務地、年収など)

2)さらに希望職種の職種コードを複数入力して、「検索」をクリック

3)Hitした求人について、一つひとつ必須要件をみて合致しているかを目検する

 

例を挙げてみましょう。

例:26歳 大卒文系 女性 無形サービス営業経験4年

「営業に疲れたので内勤がしたい。留学経験があるので英語力も活かせたら嬉しい」

 

さて、上記の求人マッチングの仕方をして、Hitした求人を目検しながら、こんなことを頭の中で考えていました。

『事務職の経験がないから、未経験応募OKの求人を探そう。英語を求められる事務職だと貿易事務はどうだろうか。(調べてみて)あぁでも事務未経験でも応募できるような貿易事務はそんなになさそうだ。営業経験はあるから、営業事務がいいかな』

 

私は当時まったく疑うことなくこうしたスタンスで求人マッチングをしていたのですが、どうでしょうか?問題を感じますか?「べつに普通でしょ」なんて思われたとしたら、以下を読む価値十分ですね!

 

■私はあるとき「必須要件マッチング」の問題点に気づいた

本当に不思議に思ったんですが、なぜかこのやり方だと、応募しても書類通過率が低かったんです。つまり求人のマッチング精度が低かった。さらに、上司や先輩に相談してみると、私が見つけられなかったような求人をどんどん紹介してくれたんです。ただそれは単純に経験値の差なんだろうと思ってました。

 

そんなとき、企業から「この求人は採用決定したので、募集終了で」と連絡をもらいました。「ちなみにどんな方で決まったんですか?」と聞くと、聞いていたはずの必須要件には当てはまらない経歴の人が採用されていたんです。

私は、採用方針がいつの間にか変わったんだと思いました。自分がキャッチできていなかったのが悪かったのだろうと。だからいっそうまめに連絡をとるようにすることで改善しようと考えました。

ただ、また同じようなことが起こったあるとき、今まで以上に深く採用決定者の経験を尋ねてみると、確かにその仕事ができそうだな、と妙に納得できたんです。

 

企業は、あくまでその仕事ができる人を求めているのであって、その要件に適う人を求めているわけではありません。私は、その仕事ができれば要件に適っていなくても採用になるということ、たとえ要件に適っていてもその仕事ができなければ不採用になるということにそのとき初めて気づいたんです。

私には、必須要件ではなくて「その仕事ができるか」という考えが欠如していたんですね。

 

■「仕事内容」で求人を選別できるようになろう

お気づきでしょうか?「必須要件マッチング」だと求人の必須要件はもちろんチェックするのですが、実は仕事内容はほとんど読んでいないんです。

必須要件に囚われずに「その仕事ができるのか」という視点を持って求人を選別するからには、当然ながら、求人票に書かれている仕事内容を読み込まなくてはいけません。

キャリアアドバイザーだって自分でやったことがない仕事ばかりですから、字面からその仕事の具体的な立ち居振る舞いを想像するのはかなり骨が折れるんですが、逆に言えば、よっぽど今まで安易な求人マッチングのやり方をしていたんだってことですよね。

 

さっきと同じ例を挙げてみましょう。

例:26歳 大卒文系 女性 無形サービス営業経験4年

「営業に疲れたので内勤がしたい。留学経験があるので英語力も活かせたら嬉しい」

 

さて、求人マッチングをしているときの頭の中はこんな感じです。

『無形サービスということは、提案資料作りなど事務的な動きも比較的多かったはず。ということは、たとえ事務経験が必須要件と書かれているような求人であってもさほど専門性を求められなければ全然応募できるだろうな。同じ貿易事務の仕事であっても、この会社は事務スキルよりも英語を使ったコミュニケーション力が重視されるような仕事内容だから、きっと評価されるはずだ。』

 

まずはそもそも転職希望者の経験した仕事を深く読み込みます。無形サービス営業という仕事から、資料作成、内勤、社内調整、顧客折衝、営業目標を追う、といったいくつかの要素を抽出しています。

その上で、求人に書かれている仕事内容をチェックします。一口に事務と言っても、営業事務と貿易事務では仕事内容が大きく異なり、また同じ貿易事務であっても、海外窓口を中心に担ってほしいのか、あるいは英語文書まわりを中心に担ってほしいのか、求人によって重視されるポイントは異なります。

こうして、求めるスキルや人物素養が合致するのなら、要件は気にしすぎずに、どんどん応募を促すようにしてみました。

結果的に、少しずつですが求人マッチングの精度を高めることができました。

 

■必須要件は、あくまでその仕事内容ができそうな人を想定して書かれたものに過ぎない

実は求人票に記載のある必須要件は、ほどほど流動的です。また、必須要件そのものを企業側が指定するケースもあれば、各リクルーティングアドバイザーが書いているケースもあります。

じゃあキャリアアドバイザーとしては、そんな流動的な必須要件に左右されるんじゃなくて、仕事内容をもとにして求人マッチングをしたほうが、よっぽど実態を捉えた求人選別をすることができます。

もちろん必須要件をまったくチェックしないなんてことはないですが、それでも鵜呑みにしすぎる必要はないですね。バランスをとることは永遠の課題ですが、世の中に非常に多くある仕事内容をそれぞれ理解することも含めて、突き詰めることに終わりがない仕事です。だからこそこの仕事は面白いですよ!

実体験レポート「キャリアアドバイザーのお仕事」

この記事では、転職エージェントのキャリアアドバイザーの仕事内容について紹介します。

 

新卒一斉採用から定年まで勤めあげる日本特有のキャリア文化が変わりつつある昨今、転職が身近なものになってきています。

2016年からキャリアコンサルタントが国家資格となるなど、国の後押しもあって、キャリアに関わる仕事に関心を持つ人も増える一方で、なかなか実態の情報って少なくないですか?

そこで、実際に某大手人材紹介会社に勤める身として、あくまで個人的な経験談を紹介します。

これを読めば、キャリアに関わる仕事に就きたい方はもちろん、転職を考えている方も、転職エージェントで働く人のイメージが持てるでしょう。

 

■キャリアアドバイザーの役割

転職エージェントでは、キャリアアドバイザー(CA)とリクルーティングアドバイザー(RA)の大きく2つの役割に分かれています。

 

CA:転職希望者のサポートをする役割

 主な仕事:転職相談、求人紹介(マッチング)、面接対策、退職交渉 etc.

RA:企業の採用のサポートをする役割

 主な仕事:求人ヒアリング、選考結果の回収、企業情報の獲得 etc.

 

リクルーティングアドバイザーが企業から求人情報を獲得し、キャリアアドバイザーが転職希望者に求人情報を提供するので、2つの役割の情報連携がポイント。

CAは求人票をみて仕事内容や募集背景などわからないことがあればRAに質問するし、逆にRAからは「こんな経験と志向の方がいたらお勧めしたい企業があるんですが」と相談を受けることも。


■メインの仕事はやっぱり面談

キャリアアドバイザーのメイン業務は、転職相談で、これは面談と言われたりします。

一人当たり1時間、顔を合わせて対面で実施されるのが一般的ですが、中には電話で30分程度で実施することもあります。この辺りはケースバイケース。

本音の転職理由や、これまでの経験、希望職種や希望条件、求人情報の提供、転職活動の進め方といった話題をしていたら、だいたい1時間かかってることが多いです。

面談前には、書類を読み込んで求人を準備するのに約30分、面談後は、面談結果のデータベース入力と、再度希望に合わせて求人選定(マッチング)をして求人紹介をするのにまた30分くらいかかるかも。

 

ちなみにキャリアアドバイザー専任でやっている人だとだいたい月30面談くらいは実施しています。月の労働時間が、1日8h×20営業日=160hだとしても、面談と求人紹介だけで、(0.5h+1h+0.5h)×30人/月=60hかかってます。

業務の半分を占める面談がやっぱり一番のメイン業務です。

 

■面談以外の仕事は?

面談後すぐに応募する人もいればそうでない人もいるので、本当に様々です。例を列挙してみますね。

・先月面談した方に対して、追加の求人選定

・今週一次面接予定の方に対して、面接対策

・来週応募スタート予定の方の、書類添削

・いっぱい求人があって選べない方と、応募求人と応募順のすり合わせ

・昨日面談した方に、面談後に紹介した求人の感想ヒアリングのための電話

・今日面接があった方と、面接後の感想ヒアリングのための電話

・今日面接があった方の、応募先企業の温度感を確認するためRAと相談

・内定を獲得した方と、意向すりあわせのための電話

・今週面接があった方に、お見送りの結果を伝えるメール

・RAと一緒に企業に、求人ヒアリングのための訪問

・社内の職種勉強会に参加

・明日面談予定の方で、職務内容がよくわからないので同僚に相談

・先月転職先に入社した方と、飲み etc.

 

同時に複数人の転職サポートを並行しているので、想像以上にマルチプロジェクトを動かすスキルが求められます。


■キャリアアドバイザーにもタイプがある

転職って人生の大きな転機ですから、それを相談するにもやはり相性ってありますよね。キャリアアドバイザーにも、おせっかいすぎるくらいに奉仕の精神が強いタイプもいれば、内定を一緒に勝ち取ることが楽しい体育会系もいますし、サバサバして仕事が早くてマルチプロジェクトをがんがんまわしていくタイプもいます。

本当に仕事内容が気になったら、「月に何面談してますか?」「同時に何人くらいの転職サポートしてますか?」と聞いてみてもよいかもしれません。

 

慢性的な腹痛から、SIBO(小腸内細菌増殖症)検査を受けるまでをまとめてみた

私が人よりも多くの時間を過ごしている場所は、トイレの個室だ。

もはや「人生損してる」レベルで、時間を費やしてしまっている。

そんな私が、実際にSIBO検査を受けるまでをまとめてみた。 

 

0 私の独学対処法

1 SIBOとは?

2 本を読んで実践してみたこと

3 低FODMAP食をやってみて

4 それでもSIBO検査を受ける意味

 

0 私の独学対処法

自分のおなかの症状で思い当たるものを書き出すところから始めてみた。

・食後におなかを下すことが圧倒的に多い(昼も夜も。たまに朝も)

・クーラーがききすぎていたりして、おなかが冷えると下しやすい

・何を食べるかよりも、量がやや多いとおなかを下しやすい

・どういうわけか勤め先の社員食堂とはかなり相性が悪い(夜のみ)

・飲み会ではおなかを壊したことが一度もない

・ここ4年程、食べてなくても腹痛が発生し始めた(転職半年後くらいから)

・食べてない腹痛は、とにかくおなかの張りが強い

・おなかを下せばよくなる、という対処法で小学校から生きてきたので、

 おなかの張りには対処法がなく辛い

・食後におならが出やすい

 

仮説1

おなかの張りの原因は、食べるときに空気を取り込んでしまっているから?

 

だいたい不調の原因は、なんだってストレスに落ち着く。

それじゃあある意味どうしようもないから、それ以外の答えをも求めて検索。

その観点でネットで調べてみると、呑気症というものを見つけた。

やはりそういう、空気を食べちゃう病気はあるらしい。

おまけに自分の場合は、慢性鼻炎でもあるから、鼻が詰まりがちで

口呼吸になりがちというのもある。

ただ食後におなかを下すことについては、合致しないから、ちょっと違うのかもしれない。

 

仮説2

太れないのは、栄養をちゃんと吸収できていないから?

 

これだけおなかを下して生きてきたので、私はやせ型だ。

もうすこし太ろうと思って一度ジムに通ったこともあるが、

入会2か月でトレーナーから

「体づくりの8割は食事です」と言われて、

ジムへのお金を食費に充てることにした。

でも食べすぎるとおなかを壊してしまうので、どうしようもない。

そこで、栄養をうまく吸収できていないのでは?という観点で

またもやネット検索をしてみた。

栄養を吸収するのは小腸で、そこがうまく機能していないのではと思い至った。

 

 

1 SIBOとは?

1冊の本にめぐりあった。

小腸を強くすれば病気にならない 今、日本人に忍び寄る「SIBO」(小腸内細菌増殖症)から身を守れ!

 

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『小腸を強くすれば病気にならない』

 

シーボと読むらしい。

本来ないはずの数の腸内細菌が小腸にいるせいで、

食べたものが分解、発酵されて、ガスが発生しやすくなると。

ガスが腸内を圧迫して、下痢につながってしまうと。

 

「SIBO」と検索すれば、解説記事もたくさんあるのでそちらを参照。

 

もうあれもこれも思い当たりすぎです。

ようやく解決法が見えた時のうれしさたるや。。

 

 

2 本を読んで実践してみたこと

さっそく実際に、低FODMAPと言われる食事療法を試してみた。

ただ本を読んでみてわかるけど、

フルーツひとつとっても、大丈夫なものとそうでないものがあって、

なかなか覚えるのが難しい。

「色が黄色っぽいやつなら大丈夫!」とか

「果汁たっぷりなやつは避けて!」とか

ざっくりとした理解がしたいんだけど、それが難しい。

 

いちいちリストを見ながら買い物をしたりメニューを選んだりするのも

おっくうすぎて続かなそう。

 

おまけに、医師によって、

同じものでも低FODMAP食品か高FODMAP食品か

判断が分かれるものすらあるらしく。。

 

厳密にやらなくても効果がいくらか感じられれば

自分はSIBOなんだという仮説が強化されるから、

それを検証するくらいの意味合いで、

ごくかるく始めることにした。

 

具体的にこれらを避ける1か月を過ごしてみた。

・小麦(パン、ピザ、パスタ、うどん、そば、お菓子)

・にんにく

・たまねぎ、長ネギ

・乳製品

・甘い液体(ジュース系全般、もも、なし)

 

 

3 低FODMAP食をやってみて

感想を一言で言うなら、

世の中、小麦を使ったメニューばっかり、っていうこと。

必然的にお米ばっかりを食べることになった。

 

やってみて意外に困ったのは、おやつ類。

ドーナツ、ケーキ、クッキー、焼き菓子、などなど、

小麦を使ったものばっかりだった。

甘いもの好きなのに。チョコはいいのか?わからないけどチョコは食べた。

 

もう洋風のものはほとんど小麦ばっかり。

 

お米ばっかり食べていると、やっぱりパンも食べたい日もある。

これまで米粉パンなんてどこに需要があるんだと思ってたけど

米粉パン開発してくれて本当にありがとう。感謝。

 

ただ、体調はやっぱり良くなっていった。

もちろん、避けられないときには、小麦類もたまねぎも食べたけど、

それでも、この食事療法は自分には効くなと思った。 

 

 

4 それでもSIBO検査を受ける意味

意識的に低FODMAP食をやったのは1か月くらい。

 

その後は、積極的ではないにしろ、パスタやピザも普通に食べてた。

するとやっぱりおなかの調子は、完全にはならない。

 

本を読んでから約1年経って、

いよいよ本気で健康を手に入れたいし、体づくりをしていこうと思った。

 

やっぱり自分だけで食事のケアをするのは難しい、

必要なら食事療法だけでなくて適切な処置もしてほしいから。

 

また経過をまとめておきます。

現状維持バイアスが、やるともやらないとも決めない状態に自分を引っ張ってしまう

現状維持バイアスが、転職活動の邪魔をする

 

キャリアコンサルタントをやっていると、いかに「決めたくない」人が多いか、考えさせられる。せっかく当初の願いが叶うような話があっても、選びきれずに終わる人がもう本当にこれでもかってくらい多い。

 

・いざ内定が出たら、今まで口にしていなかったような希望を言い出す人

・もうすぐ内定が出るというのに、ほかの企業の書類選考を応募してしまう人

・現職への恩を強く感じて辞めにくいとか言っちゃう人

 

こういうような人たちを見ていると、【現状維持バイアス】の圧倒的パワーをつくづく実感する。

 

だいたい転職をしようなんて登録をしている時点で、現状に対して不満があって改善したいことを抱えている。にもかかわらず、いざその改善ができるチャンスを目の前にすると、まったく変化が起こらないようにするための思考をしてしまう。

 

 

現状維持バイアスが強い人は、とにかく変化が起こりそうなことはいやだから、「オファーを受諾しますか?しませんか?」という二択に対しては、パニックを起こしてしまうんだろう。

できれば「どちらにも決めずにいたい」からだ。

 

でもあえてどちらか決めなければいけないとなれば、なるべく現状を変えないほうを選択したいから「オファーを受諾しません」となる。

 

こうしてめでたく現状維持は成し遂げられたが、もちろん現状は何も改善されないままだから不満な気持ちも当然残り続けることになる。

 

 

■人生で起こる物事はすべてトレードオフだと思っておいたほうがいい

 

現状維バイアスにどっぷり浸ってきた人は、何も変えずにきたことによってどんな代償を支払ってきたかについて、自覚が弱い。

 

Aを選んだらBを手放すことになるし、

Cを選んだらDを諦めることになるし。

そして何も選ばなかったら、現状維持が成し遂げられる代わりに、時間と未来の変化を失っている。

 

 

いま選択しないということは、人生の残り時間を現状維持に費やすということだ。

時間の有限性はなかなか普段は自覚ができないから、どれもベストな選択肢ではないなかで選びきれないときに、つい浪費してしまうんだろう。

時間を犠牲にするような選択、つまり「何も選ばないこと」選択をしてしまうことになる。

 

 

■やるともやらないとも決めない後悔

 

「やらないで後悔するくらいならやって後悔しよう」みたいなこというけど、そもそもやるともやらないとも決めないでおくことのほうが、人生ではものすごく多い。

 

べつになんでも即断即決することを奨励したいわけでも何でもないけど、ともかく言いたいのは、人生は決断と行動の積み重ねなんだ、っていうこと。

 

現状維持は行動が何も積み重ならないから、人生が前に進んでいかない。

人生のスピードを前のめりにしていきたいなら、いつだってこの二つ。

 

・やるかやらないかを今決める

・やるかやらないかをいつ決めるかを今決める

 

 

決めないでいて、プラスなことは一つもない。

 

普段から小さなことでも保留せずにすぐに決める癖をつけておけば、いざというときに現状維持バイアスに引っ張られることもなくなってくる。

 

決断の数だけ、人生のスピードは速くなる。

 

【おすすめ】キャリアコンサルタントのタイプを見極めよ

キャリアコンサルタントも人間ですから、もちろんいろんなタイプの人がいます。

 

キャリアの相談は、人生設計も絡んできますし、重要な事柄ですから、

できれば信頼関係の築ける、ウマの合うタイプの人だったら

それが良いんだと思います。

 

でもキャリアコンサルタントの視点からは、

大きく二つに分けられるように感じています。

 

 

■求人紹介を重要視するタイプ

 

信条は「希望や経験にマッチした求人の紹介をすること」です。

多すぎる求人のなかから、いかにマッチングさせるかにこだわります。

 

求人さえハマれば、あとは一定確率で内定まで進むだろうと考えています。

思ったような確率で内定まで進まないとすれば、

求職者の力不足だと考えて、別の人のサポートに力を入れます。

 

自分なりに情報を収集して、志向の整理もつけられていて

面接も得意で内定を獲得する力がある求職者は、

こういうタイプのキャリアコンサルタントが合うでしょう。

なんせ情報のボリュームが多いですから。

 

一方で、志向の整理がついていなくて、

多すぎる求人から選びきれないタイプ、

かつ面接も自信がないという求職者は、

マッチング重要視タイプのキャリアコンサルタントだと合いません。

きっと「相談に乗ってくれない」「冷たい」

「(いまの)希望と違う求人ばっかり送ってくる」といった

感想を持つことになるでしょう。

 

 

転職活動が、応募→選考→内定→入社だとすると、

入り口の部分に注力しているスタイルです。

 

 

■転職先の決定を重要視するタイプ

 

信条は「入社後に活躍してもらうこと」です。

たとえ、応募先が1求人だけでも、納得して決められるかを大事にします。

 

希望や志向性など、人物を捉えることが好きです。

よく話を聞いてくれます。

たとえ、書類選考が通過、1次面接が通過となっても安心はせずに、

「この企業で決められますか?」

「決められないとすれば懸念はなんでしょうか?」

と確認をします。

 

転職活動そのものの相談をするところからお願いしたいとか、

ぼんやりとした動機から転職が気になり始めたとか、

求人情報よりも相場観やキャリア展望の話がしたい求職者には

こちらのタイプが合うでしょう。

 

一方で、とにかく情報さえもらって自分のペースで進めたい求職者や、

そもそも人材紹介という業態に不信感を持っている求職者には

不向きです。

きっと「強引に決めようとしてくる」という感想になるでしょう。

 

 

転職活動が、応募→選考→内定→入社だとすると、

出口の部分に注力しているスタイルです。

 

 

お気づきかもしれませんが、

それぞれのタイプは補完しあっている関係です。

 

求人紹介を重要視するタイプは、求人数に強くて相談に乗るのが下手、

転職先の決定を重要視するタイプは、求人数に弱くて相談に乗るのが得意。

 

おおざっぱに言って、

求人紹介を重要視するタイプは、求人数の大手エージェントに多いです。

転職先の決定を重要視するタイプは、中小およびヘッドハンターに多いです。

 

 

どちらも一長一短なので、

大手エージェントに登録してたくさん情報を集めつつ、

中小エージェントで親身にサポートしてもらう、

というのが最強ですね。

 

「第一志望の1社しか応募しません」

私は、応募先を絞ることのメリットとデメリットをお伝えして、判断してもらってます。

 


前提として、相場としては、だいたい5~10求人応募することが多いです。

 


書類通過率はだいたい20~30%が大雑把な平均で、職種や業界の経験があるなら、30~60%くらいでしょうか。

 


5社応募すれば1~3面接、

10社応募すれば2~5面接、設定できることになります。

 


余談ですが、キャリアコンサルタントの気持ちとしては各応募求人に対してこんな思いで進めています。

「応募はできるけどムリだろうな」

「応募するだけしてみれば何かあるかも」

「この求人票に書かれた要件のとおりなら合格するだろうけどどうか」

「おそらく合格するだろう」

「書類は即通過で、たぶん内定でしょ」

 


◼︎◼︎◼︎

 


さて、応募先を限定するメリットです。

 


何より転職活動に時間を取られないので、現職とのバランスが取りやすいことが第一です。

さらには、面接日程の調整がスムーズです。「別の企業には違う候補日程を伝えないと」とか細かな調整はけっこうな負担ですから。

 


対策なども、その企業のためだけに時間を使えばいいので楽です。

 


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それでは、応募先を絞るデメリットは何か?

 


それは他社との比較検討ができないことです。

「他を見ないで決めきれますか?それほど志望度は高いですか?」と尋ねてみると、他も応募するだけしてみる、という人が多いです。

 


せっかく内定までいったのに、

「やっぱり他の企業(業界)も検討してみないと決められないので辞退します」なんてなれば、時間も手間ももったいないです。

 


メリットとデメリットを理解した上であれば、応募先を限定してもまったく構わないでしょう。

 


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転職サポートをしていて思いますが、決めきることって本当に難しいことで、スムーズに決断を下せる人は10%くらいです。

 


だからこそ、私はかなり早い段階で、

・決めきれそうか

・決めきれないとすればどんな点が懸念になりそうか

・懸念点について正しい情報は得ているか

と投げかけながら、

求職者側が気持ちを固める時間を長めに持てるようにサポートしています。

 


いきなり「結婚してくれ」なんて言われても戸惑ってしまうのも当たり前ですよね。

それを転職活動では、「2日以内に返事してね!」と急なスケジュールで求めてきます。

 


どう決めるか、は転職に限らず大事なテーマですよね。

 


もし決断力をつけたい人は、ランチのメニュー選びから変えてみると良いですよ。

なんとなくこれでいいや、ではなくて、「本当に自分が食べたいメニューはどれだろう?」と悩み抜いて決めることです。

 


小さな決断の回数を増やすこと、これオススメです。

「他社キャリアコンサルタントから、無理だと言われて自信をなくしてます」

結論から言います。

あなたの希望が無理かどうか、エージェントの私には分かりません、だから気にしないで活動を進めてみては?

 


これはプロの姿勢としてはもしかしたら無責任なのかもしれませんが、キャリアコンサルタントには応募時点で内定獲得できるかどうかを厳密に見極める必要はないとすら思っています。

 


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きちんと説明します。

 


キャリアコンサルタントや転職エージェントの手元にある情報は、

・今回の求人でどんな人を求めているか、

・過去にどんな人に内定が出たか、

・選考はどんな様子か、などです。

 


過去の実績だとか、企業の求めることはわかっていても、今回や未来の選考で実際にどんな人に内定が出るのか、確かなことはわからないんです。

 


実は、「いざ内定した人を見るともともと求めていた経験とは違った」「設定した応募要件と違うスペックなのに内定が出た」なんて話は日常茶飯事です。

 

 

 

とはいえ、企業に評価されそうかどうか、ある程度はキャリアコンサルタント側も判断をしないといけません。

そのラインの見極めに絶えず苦労をしています。

 


本当はダメだと思って紹介したけど内定が出た、ならまだ良いんですけど。

無理ですねって対応して、本当は内定するはずだったなんてことになったら、人の可能性に見切りをつけて人生変えてしまってますからね。

 


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というわけで、キャリアコンサルタントが「あなたには無理だ」と断言するならば、

 

そのキャリアコンサルタントが、あなたの希望するような内定例を知らない

 


理由はこの一言に尽きます。

ただし、それは、

・本当はあり得るけどそのコンサルタントが知らないだけなのか、

・本当に可能性のありえない希望なのか、

わかりません。

 


応募したりチャレンジをしてみたりして、自分の転職市場相場を知ることは、転職活動の有意義な側面の一つです。


心を強く持って進んでいきましょう。